健康ジャーナル

 
わが国の平均寿命は1947年の男性50.06歳、女性53.96歳から、2015年男性は80.79歳、女性は87.05歳と65年間で男性30歳以上、女性はなんと33歳以上伸びたことになり約25年間にわたり世界トップクラスを維持している。超高齢社会に突入した現在の日本において、「アンチエイジング」は必須のキーワードといえる。
  
    

2016年9月20日(火)

特集〜アンチエイジングと機能性表示食品

止まらぬ日本の高齢化
健康長寿に向けて「アンチエイジング」という礎(いしずえ)

アンチエイジングとは時計の針の進みを遅らせること!!

日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は1970年に7・1%だったが、その後2000年に17・3%、2010年に23・7%、そして本年2016年7月20日に発表された統計によれば、26・9%。現在の日本では65歳以上の人口は3420万2千人、すでに国民の4人に1人以上が高齢者だ。ちなみに一般的には、高齢者人口が7~14%の社会を「高齢化社会」、14~21%の社会を「高齢社会」、そして21%を超えると「超高齢社会」と呼ぶ。日本は世界で最初に超高齢社会を迎えた国となった。

今後、この高齢化率はますます上昇し、このままでいけば、2030年には31%、2055年には40%以上となる見込み。そして団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、75歳以上の後期高齢者が2200万人(現在は1684万人)と推測され、4人に1人が75歳以上という人類が経験をしたことのない超々高齢社会が到来する。これまで健康保険を払ってきた団塊の世代が給付を受ける側に回り、医療、介護、福祉などの社会保障財政のバランスが崩れるとの指摘もある。

こうした高齢者の増加は必然的に医療費の増大を引き起こす結果となり、平成25年度の国民医療費は40兆610億円、前年度の39兆2117億円に比べ8493億円、2・2%の増加であった。特筆すべきは加齢に伴う医療ニーズの増大が国民医療費に大きな影響を及ぼしていることで、65歳以上の高齢者で23兆1112億円余りと、国民医療費の半分以上(57・7%:平成25年度)を占めているのが現状だ。

国の活力を維持するためには、これからは単に「長寿」だけではなく、健康でかつ長生きをする「健康長寿」を社会全体で目指す必要が出てきた。日本の社会システム全体が「健康長寿」に向けて大規模な改造を必要としており、そのために「健康寿命の延伸」が大きな命題となってきている。

健康寿命とは日常生活に制限なく健康的に過ごせる期間。2010年の調査によると、日本人の健康寿命は男性70・42歳、女性73・62歳であった。同年の平均寿命は男性79・55歳、女性86・30歳で、平均寿命との差は男性で約9年、女性では12年以上に及んでいる。つまり平均、男性で9年、女性で実に12年を健康でない状態で生きていることになる。これは医療費などの社会保障の面でももちろん大きな問題だが、社会全体の活力にも直結してくる。国民一人一人の健康と元気がそのまま国の健康と元気というわけだ。

そこで、高齢化社会を支え、健康寿命の延伸を科学する「抗加齢(アンチエイジング)」という概念がキーワードとして浮上してきた。

【本紙につづく】

 
 
ページのトップへ戻る